“幸せ”の本当の意味とは!?/ 櫻坂46『なぜ恋をして来なかったんだろう？』歌詞の意味と解説

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「欅坂46」からの改名を発表して早3ヶ月、2020年12月には待望のデビューシングル「Nobody’s fault」が発売され、改名後の活動も勢いを増している「櫻坂46」。
今回はそんな彼女達のデビューシングルの中から、シングル発売前にも関わらずMVが先行公開されるや否や、瞬く間に再生回数を伸ばし注目を集めた楽曲「なぜ恋をして来なかったんだろう？」を紹介していこうと思います!!

デビューシングル「Nobody’s fault」では、新たな試みとして、収録されている全7曲のセンターには二期生メンバーである、森田ひかる、藤吉夏鈴、山﨑天の3名が起用されています。

“櫻坂46″として生きていく決意 / 櫻坂46『Nobody’s fault』歌詞の意味と

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https://sokai-lyric.com/sakurazaka46-nobodys-fault/

その中でもMVが解禁されている、表題曲の「Nobody’s fault」(センター:森田ひかる)、「なぜ恋をして来なかったんだろう？」(センター:藤吉夏鈴)、「Buddies」(センター:山﨑天)の3曲の中で、12月28日現在、Youtube再生回数が「Nobody’s fault」の395万回、「Buddies」の185万回を大幅に超え「なぜ恋をしてこなかったんだろう？」は470万回再生を記録。

ファンからも「欅坂46」時代のイメージとは違った王道アイドルソングをいく今楽曲への評価は高く、既に数多くの音楽番組でも披露されてきた1曲です。

“なぜ恋をして来なかったんだろう？“とは

今作のタイトルは「なぜ恋をして来なかったんだろう？」通称「なぜ恋」
タイトルから推測するに、恋愛をテーマにした楽曲になるのではないか。
、、、と思っていたのですが、櫻坂46メンバーである小池美波はこの曲について、公式ブログで以下のような解釈をしていました。

これは個人的なこの楽曲への解釈ですが、欅坂と共に歩んできた「僕」が否定していた世界へ一歩踏み入れ新しい感情に出会い、芽生え、「僕」から「私」となる素敵な楽曲だなと感じました。
参照: 櫻坂46 小池美波公式ブログより

また同楽曲のセンターを務める藤吉夏鈴は、櫻坂46のデビューライブで、以下のように魅力を伝えていました。

次に歌う楽曲（なぜ恋）は歌詞だけ見ると恋愛曲なのかと思えますが、私は最近、新しい解釈の仕方を見つけて、まったく恋愛とは異なるような解釈を見つけました。なので、皆さんも自分なりの解釈を見つけてみてください。

以上のように、今楽曲を歌う本人達も秘められたメッセージを感じ取り、自分なりの解釈をしているようです。
これは僕もタイトルに騙されず、しっかり歌詞の意味を読み取っていかないといけませんね!!

さて、そんな「なぜ恋をして来なかったんだろう？」は、作詞を秋元康が担当、作曲・編曲には、これまで数々のアーティストやアイドルを担当してきたSoichiroK、Nozomu.S(Soulife)の二人。
欅坂46時代には「二人セゾン」や「語るなら未来を…」など、数々の人気楽曲を担当してきた方々です。

櫻坂46への改名後、年末の音楽番組にも引っ張りだこ。
まさに絶好調とも思える彼女達の新境地となる今楽曲に込められた思いとは何なのでしょうか。

それでは「なぜ恋をして来なかったんだろう？」の魅力、歌詞に秘められたメッセージを考察していこうと思います。皆さんも是非こちらの記事を参考に歌詞の意味を御自身なりに読み解いてみてください!!

初めての恋模様

ちょっとくらい浮かれちゃったって
気づけばスキップしていたって
思い出し笑いとかしちゃっても、、、
だって　初めて彼氏ができちゃって
なんだか　フワフワしてきちゃって
心ここになくなっちゃうでしょう
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

「なぜ恋をして来なかったんだろう？」のイントロ部分は、その軽快なリズムとメンバーのシンガロングが非常に印象的で、既に王道アイドルソング感が滲み出ています。

直後のAメロでは、主人公である女の子に初めての彼氏が出来た様子(もしくは好きな人への妄想？)に関しての初々しい様子が細かく描かれています。

やはりアイドルですから、これまでも初々しい恋愛の様子や恋心に揺れ動く様子は、数々の楽曲で表現されてきたかと思います。
しかし、ここまではっきりと“彼氏"という表現を使い、それを現役アイドルが歌うというのも非常に珍しいですし、何だか少し酷な気もします(笑)

そんな主人公は、今まさに目の前の恋に夢中で、心ここにあらずの状態に陥っているようです。

幸せを考える

何言われたって全然気にならない
微笑み返してあげる

幸せは敵作らない
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

普通は中・高校生にもなると、自分の周りや友達同士で「好きな人ができた」「恋人ができた」なんて会話は日常茶飯事だったはず。
もちろん友達であれば祝福してくれるのが大半でしょうが、そんな様子をよく思わず遠巻きでみている人、中には嫉妬心から文句を言ったり悪口を言ってくる人もいるかもしれません。

そんな周りとの温度差や状況を察している主人公ですが、今はそんな嫌味や妬みも気にならないほどに恋に夢中。何なら牙を向いてくる相手にも微笑み返す余裕すらあるようです。

本来であれば、自分の敵になるような相手にでも、微笑み返す余裕があるように、きっと「幸せ」な時間に浸っている間は、幸せ以外眼中になく、“幸せは敵作らない"(幸せ以外に興味が湧かない)という幸せの意味を、この恋を通して見出したのではないでしょうか。

ホントの自分

なぜ恋をして来なかった？
今までずっとバカにしてた
だってどいつもこいつも I LOVE YOU！って
まるで盛りのついた猫だ

でも恋をしてみてわかったんだ
人は何のために生きるのか？
巡り会って愛し合って無になって
自分じゃないホントの自分見つけたい
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

そんな幸せの絶頂にいる主人公。
1番サビでは、今まで恋をしてこなかった過去の自分を悔いている、その想いが吐露されています。

自分の知っている恋というものは、他のことには一切目も暮れず夢中になってしまう“まるで盛りのついた猫だ"と揶揄するほどに嫌悪するものだったはず。

しかし、いざ自分が誰かと巡り会い愛し合うことで、恋に生きている人の気持ちに気付き、自分に何かを言ってくる周囲の人達の姿が、かつての自分の姿だったことにも気付けたのではないでしょうか。

だからこそ恋をすることで、今まで自分でも知らなかった自分に出会えるのではないか？
そんな今まで知り得なかった姿こそがホントの自分なのではないか？と思い始める主人公なのでした。

恋は盲目？

人前でイチャイチャとか
スマホの写真見せるとか
恋バナばかり語っちゃうとか、、、
そんなバカップルを呪ってたのに
楽しいなって思えてきて
お揃いの指輪(リング)したりして、、、
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

かつては恋をバカにしていた主人公も、今では恋に生きるごく普通の女の子。
2番Aメロでは、ただのカップルを通り越し、人前でイチャイチャしたり、友達に自慢したりと、かつては呪いたくなるほど憎たらしかったバカップルになってしまったようです。

いざ自分がバカップルの立場になると、その楽しさから周りの目も気にならず恋に夢中で、色々と歯止めが効かなかったり、、、そんな様子がここでは具体的な内容と共に伺えます。

新しい幸せの解釈

もうすぐクリスマス　バレンタインデーもあるし
誕生日はどういうプラン？

幸せは自慢したいもの
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

そんなバカップルとなってしまった主人公は、カップルにとって大事なイベントであるクリスマス、バレンタイン、更には誕生日までもが楽しみで仕方がなく、どのように過ごすのかをいち早く恋人に問い正す始末。

冒頭とは随分変わった主人公ですが、今では恋人との何でもないやりとりにすら幸せを感じ、さらにはそれを他の誰かに自慢したい、共有したいという、１番とは違う幸せの解釈を手に入れたようです。

盛り上がる恋

そう恋をして来なかった分
近頃私盛り上がり中
だってこんな楽しいラブストーリー
ドラマとか見てる場合じゃない
もっと早く気づけばよかったわ
恋は主人公になるべきよ
ドキドキしてハラハラしてキュンとして、、、
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

これまでの反動からか、今では恋愛にどっぷりとのめり込んでいる主人公。
かつては恋愛ドラマを観て楽しんで終わる、いわば傍観者だったのでしょう。それが今では、彼との恋に舞い上がり、“近頃私盛り上がり中"と本人もこの恋を楽しんでいるように思えます。

現実逃避の恋愛よりも自身が主人公となって、ドキドキ,ハラハラ,キュンとするような恋をした方が素敵だということに、この恋を通して初めて気付けたようです。

過去の自分へ

迷っている人たちよ
すぐに告白しちゃいなさい
そばで見ている観客より
見つめ合って抱き合ってキスをしましょう

幸せは参加すること
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

かつては恋に否定的であった主人公。ですが、自身の恋が成功するや否や、まるで恋愛マスターのような口ぶりで恋愛に臆病な人たちへ“すぐに告白しちゃいなさい"とアドバイスを送ります。
ほんの少しの勇気が出ないことで、恋だけでなく、せっかくのチャンスを逃してしまうことは、きっと誰しもが人生で経験したことがあるかと思います。

この助言は、特定の誰かというよりも、そんな勇気が出なかった過去の自分へのアドバイスのようにも聞こえます。恋愛を心から楽しめる今があるからこそ、ただの傍観者ではなく“幸せは参加すること"に意味があるというまた新たな幸せの意味に気付けたのではないでしょうか。

なぜ恋をして来なかった？

なぜ恋をして来なかった？
今までずっとバカにしてた
だってどいつもこいつも I LOVE YOU！って
まるで盛りのついた猫だ

でも恋をしてみてわかったんだ
人は何のために生きるのか？
巡り会って愛し合って無になって
自分じゃないホントの自分見つけたい
出典: なぜ、恋をして来なかったんだろう/作詞:秋元康作曲:SoichiroK,Nozomu.S

最後のサビでは、恋をしてこなかった過去の自分とはもう完全に決別出来たのではないかと思われます。

もちろん自身が良い恋愛を謳歌しているからこそなのでしょうが、たとえこの恋の中で今後傷つくことがあったとしても、誰かと巡り会い愛し合うことでしか分からないこともきっとあるはず。

だからこそ今はこの恋と真剣に向き合うことが、求めているホントの自分と出会える大切な一歩だと主人公は信じているのでしょう。恋愛だけでなく、何事にも真剣に向き合うことの大切さを最後に教えてくれているように思える、そんな今楽曲でした。

MV感想とまとめ

さて、いかがだったでしょうか。
今作「なぜ恋をしてこなかったんだろう？」のMV内でも、坂道グループ恒例の楽曲をより深く理解するためのヒントがいくつも散りばめられたいたように思えます。

冒頭は、光が差し込む永遠と続く螺旋階段を登っていく、センターの藤吉夏鈴。
そんな彼女を無表情のまま見つめるメンバー達ですが、そんな彼女達を余所に、笑顔で階段を駆け上がる藤吉夏鈴が非常に印象的で、恋をしている主人公とそれを見つめる傍観者の縮図、更には１番Bメロにもある“幸せは敵作らない"という様子をより分かりやすく表現していると思います。

また２番Aメロに差し掛かる場面から、メンバー同士それぞれが糸と糸で繋がれ操っています。ですが、どんどんその糸が絡み合い、互いに翻弄させられている様子が非常に印象的です。

そんな糸の中央には藤吉夏鈴の姿があり、それはさながら人間関係のしがらみを表現しているように思われます。しかし、そんな絡みつく糸を徐々にコントロールしながらも笑顔で踊り、最終的には主導権を握り、諭された周りのメンバーも桜吹雪が舞う中、笑顔で喜びを体現したダンスを披露。この曲を通して変わっていく彼女たちの強さを表現しているように思われました。

また、今記事の冒頭にも取り上げましたが、櫻坂46メンバーの小池美波が解釈するように、欅坂46時代からの主人公(僕)が否定・反抗してきたような甘い恋愛が今作「なぜ恋をしてこなかったんだろう？」のテーマです。

そんなアイドルとは本来無縁の世界ですが、勇気を出して一歩踏み込んだことで、今までは否定的であった「恋」というものの素晴らしさ、新しい感情に出会うことが出来ました。そうなることで欅坂46時代「僕」という表現ばかりなされていた主人公が女性らしさを手にすることで「私」という自己表現をするに至ったのではないかと思うのです。

もちろんアイドルですから、恋愛の世界に足を踏み込むのは難しいかと思いますが、「恋」だけでなく自分にとっての出会いたい・知りたい「新しい何か」との触れ合いに臆することなく、勇気を出して挑戦することの大切さを今楽曲「なぜ恋をしてこなかったんだろう？」では「恋」を例に伝えたかったのではないでしょうか。

それにしても、カップリング曲でこの破壊力ですから。新体制となった櫻坂46の今後からますます目が離せませんね。１ファンとして引き続き応援していきたいと思います。
長くなりましたが今記事をご覧頂いた皆様、ありがとうございました!!